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WORKS

青梅保育園

2021.10

 福岡県朝倉市は広域には田園地帯であるが、敷地は住宅があつまった集落のような場所にある。旧園舎は築40年を迎え、保育室が手狭なことや老朽化の問題を抱えていたため、今回の建替えに至った。
 同一敷地内での建替えで、限られた敷地で計画しなければならず、新たな計画では自ずと北側が園庭になってしまう。また、園からの要望で給食の衛生面や冬季の気候の問題から屋内廊下にする必要があったため、園庭との連続性、北側採光ならではの光環境の解決が必要と考えた。

 旧園舎の園児たちは廊下で身支度をしてから保育室に入るという習慣があり、設計の途中段階で、新しい保育園でも同じ動線にしようという話になった。そこで廊下にアルコーブのようにお着替えスペースを設け、採光・通風のできるハイサイドライトを連続的に設けて、通常の廊下にない活動性や開放性を持たせた。外部と内部をつなぐ動的な中間領域として、採光や通風などの環境を調整するための装置として「吹抜の廊下」を位置づけた。

 保育室、廊下、園庭の順に、空間が広がる様に段々屋根とすることでグラデーション的に空間に広がりをつくり外部を取り込む空間構成とし、保育室の奥から廊下に近づくにつれて、園庭への広がりや空を感じる気持ちの良い室内となっている。また保育室には高さ1mの腰壁を設けているため、外部とは繋がりつつも視線が交わらない「おしごと」に集中できる仕組みにも配慮した。
 屋根の段差を利用したハイサイドライトには、南北に風の抜ける換気窓を設けることで、ベンチュリー効果を利用して建物全体の自然換気を促す。また、廊下を南側採光とすることで保育室は安定して自然光を採り入れることが可能となっている。入れ子状のトイレの屋根は片流れにし、採光や通風を阻害しない配慮をするとともに、保育園らしい可愛らしさを表現した。